痩せるための基本中の基本は、
1日あたりの総消費エネルギー量が総摂取エネルギー量を上回るようにして、
赤字収支の生活を送ることです。
しかし、無理に食事量を減らして摂取エネルギーを低く抑えても、
なかなか思うように痩せることはできません。
ということで、毎日の生活の中に運動を取り入れて、
総消費エネルギーを高めることが、一般的なダイエットの手法となっています。
そんな中、ダイエットのための運動として、最も人気があり、手軽に実践できて、
それほどお金も掛からず「ダイエットの王道」とまで言われているのが、
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、エアロビックスなどの有酸素運動です。
確かに、有酸素運動は体脂肪を燃焼して健康的に痩せるためには、
とても有効な運動です。
実際に、街のフィットネスジムなどを覗いてみると、
一生懸命に汗を流してエアロビックスで体を動かしたり、
ランニングマシンを使ってのウォーキングやジョギング、
それに、エアロバイクに乗ったりして運動している人が多くいらっしゃいます。
ですが、有酸素運動だけで痩せようという手法は、そう簡単なことではありません。
その理由は、一生懸命に頑張って体を動かし、いっぱい汗をかいても、
有酸素運動で燃焼できる体脂肪の量は、ほんの僅かしかないからです。
例えば、体重50キログラムの女性が、
約1時間、8キロメートルのジョギングをしたとすると、
約400キロカロリーのエネルギー消費になります。
400キロカロリーと聞くと、そこそこの数字に思えるかもしれませんが、
これを体脂肪1グラムを7キロカロリーとして
換算すると(400÷7≒57)約57グラムになります。
「たったの57グラム?」という人も多いかと思いますが、
実際は、400キロカロリー全てが体脂肪燃焼に使われるのではなく、
最初は肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンと言われる糖質が使われ、
その後、体脂肪がエネルギーとして使われます。
ですので、大量に汗を流して400キロカロリーを消費しても、
体脂肪が燃焼されるのは、多くても、57グラムの半分くらいの30グラムにも
満たないという、ほんの微々たる量なのです。
ようするに、1時間もかけて、たっぷりと汗を流しながら一生懸命頑張っても、
体脂肪の燃焼は、時間をかける割には効率が良くないということです。
逆に、運動後に頑張った自分にご褒美とばかりに、
アイスクリームやケーキなどを食べてしまうと、摂取オーバーになりかねません。
それでも、有酸素運動を実践すれば、僅かな量でも、
それだけ体脂肪が燃焼されるのは事実なので、
確かな効果として考えていくことが大切です。
1時間、ジョギングして、約30グラムの体脂肪燃焼。
1時間のジョギングを34回以上行って、
やっと約1キログラムの体脂肪を減らすことになりますが、
3日に1回くらいのペースでジョギングを行うとして、
4か月程度で1キログラムの体脂肪を減らすという長期計画で
ダイエットを実践することが大切です。