若い頃は、これといって食事を気にしなくてもスリムな体型を維持できましたが、
40歳を過ぎた頃から徐々に体重が増え、
お腹まわりを中心に体脂肪が蓄積してきます。
さらに、背中が丸まって、なんとなくヨチヨチ歩きになり、
見た目の印象も老けて見えるようになります。
それに対して、50歳を過ぎても、スリムな体型を維持して、
街の中を若々しく颯爽と歩いている人もいらっしゃいます。
この大きな違いの原因は、筋肉量にあります。
運動不足や加齢による影響で筋肉が衰えて筋肉量が減ると、
まずは、基礎代謝量が低下します。
基礎代謝は、1日の総消費エネルギー量の約60~70%を占めているので、
基礎代謝量が低下すれば、1日あたりの総消費エネルギー量が相当減るということで、
その状態で若い頃と同じ量の食事を摂っていれば、当然、過食状態になり、
消費し切れない分が体脂肪として蓄積されてしまいます。
こうして蓄積された体脂肪は、人の体には全く必要のないものと思われがちですが、
本来、脂肪は身体を守るためにあります。
万が一、食事ができないような飢餓状態に陥った時に、
体は体脂肪からエネルギーを生み出して生命を維持しようとします。
また、体脂肪は外部の寒さから体を守ってくれます。
ですが、余分な体脂肪が蓄積していくと、体に悪い影響を及ぼしてしまいます。
一方、筋肉もエネルギーが消費される時に、熱を発して体温を維持します。
体温を維持するために必要な筋肉量があれば、体脂肪はそんなに必要ないのですが、
筋肉が不足すると、体温を維持できなくなり、
寒さから体を守るために体脂肪が蓄積されやすい体に変わってきます。
このような点でも、筋肉量の低下は、太りやすい体に変えてしまうことになります。
さらに、筋肉をよく使っている人は、若さを維持する物質である成長ホルモン、
性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの分泌が高まって、
見た目だけでなく、体の中身も若くなります。
しかし、若い頃は、部活動やいろいろなスポーツを楽しんで、
それなりの筋肉量があっても、その後、筋肉を使うことがなければ、
どんどん衰えて筋肉量は減少していきます。
一般的に、これといった運動を何もしていないと筋肉は、
30歳くらいから徐々に減りはじめ、
70歳になる頃には、約三分の二まで減るといわれています。
特に、大腿部、お尻、腹筋の筋肉の減少は著しく、70歳代後半になり、
自分の力では歩くことができないというケースもよくあります。
このような状態に陥らないように、しっかりと筋肉を鍛えて、
いつまでも健康的で若々しい体を維持しましょう。
ちなみに、筋肉は、70、80歳代でも、
筋力トレーニングによって成長することができます。
できれば、筋力トレーニングは、
衰えが始まる前から始めることに越したことはないですが、
何歳から始めても決して遅くはありません。