30歳代後半くらいから年々お腹がポッコリと突き出てくる・・・
という人が増えてきます。
こうなると、もちろん体型が崩れて肥満を招いて見た目が悪くなり、
何となく自分に自信がもてなくなって、
ネガティブな人生を歩むことになってしまいます。
しかし、内臓脂肪の蓄積による一番の問題は、見た目の悪さだけでなく、
健康を損なう危険なリスクがたくさん潜んでいるということです。
そもそも内臓脂肪とは?
本来、体内に付く脂肪は、エネルギーを蓄える貯蔵庫だったり、体温を保持したり、
衝撃から体をクッションのように守るといった役目があり、
人が生命を維持するために絶対に欠かすことのできないものです。
しかし、日頃の生活習慣の中で運動不足だったり、食べ過ぎの食事だったりして、
必要以上のエネルギーを摂取していると、
体脂肪としてどんどん蓄積されて肥満体型に陥り、
その体脂肪が健康を損ねる元凶となります。
そんな体脂肪は、大きく分けて「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類になります。
皮下脂肪は、皮膚と内側の組織のスペースに付く脂肪で、
外気温や体にかかる衝撃を受け止める役割がありますが、
付き過ぎると体全体がふっくらと見えて「皮下脂肪型肥満」となります。
女性肥満のほとんどは、この皮下脂肪によるもので、特に下半身が太くなるので
「下半身肥満」、あるいは「洋ナシ型肥満」とも呼ばれています。
一方、内臓脂肪は、内臓の周りに付く脂肪で、
内臓が動き回らないように固定する役割がありますが、
お腹の広いスペースに付くので基本的に限度がないといえます。
この内臓脂肪が蓄積するとお腹がポッコリと突き出て、
男性に多い「内臓型肥満」となり
「男性型肥満」「上半身肥満」「リンゴ型肥満」などとも呼ばれます。
そして、問題になるリスクは、皮下脂肪より内臓肥満のほうが高いといえます。
その理由は内臓脂肪のほうが、脂肪細胞から体に影響を与えるさまざまな物質が
分泌されるという活性度の高さにあります。
ポッコリお腹の肥満体型の人が健康診断を受けて
「メタボリックシンドローム」の予備軍と指摘されることはよくある話ですが、
内臓脂肪の蓄積は「動脈硬化」「心筋梗塞」「脳梗塞」「高血圧」「糖尿病」など、
生活習慣病といわれる命にかかわる重病を招くリスクがたくさん潜んでいます。
さらに、内臓脂肪が増えるごとに、大腸がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、
胆のうがん、すい臓がん、子宮がん、卵巣がん、腎臓がん、乳がんの10種類を
招くリスクが高まるとされており、
また、「認知症」を発症するリスクも3倍高まることが分かっています。
その他、体が重くなることから腰や膝に負担をかけ、骨にも悪影響を与え、
「肩こり」「腰痛」「便秘」「頻尿」「加齢臭」なども引き起こします。
こうした健康を損ねる肥満体型に陥る前に、
栄養バランスのよい食事を規則正しく摂り、積極的に運動するなどして、
体脂肪を蓄積させない生活習慣を心がけましょう。